「廃墟の女王」の異名をもつ「旧摩耶観光ホテル(通称マヤカン)」が、国の文化審議会において国登録有形文化財として文部科学大臣に答申されました。
建物のデザイン性やその歴史的価値はもちろん、所有者、JーHeritage、NPO法人H2O神戸で取り組んできたクラウドファンディングを活用した調査・保全活動などが評価され、廃墟としては日本で初めて国有形登録文化財に登録される見込みです。
軍艦を連想させる外観から「軍艦ホテル」と呼ばれていました。緩やかに描く曲線、重層するデッキ、船室のような丸い窓、現在は倒れてしまっていますが、屋上にはボイラーや厨房からの排気用の煙突など、このホテルには船の要素が詰まっていました。その姿はさながらモクモクと煙を吐きながら前進する軍艦のようであったのでしょう。
クラウドファンディングに御協力頂いた方には、建物の実測調査および図面作成、建物内部の現況調査のお手伝いをして頂きました。皆さんのおかげで登録文化財申請を行うことが出来、今回の文部科学大臣への答申に繋がりました!ありがうございます!
廃墟と言いながらも、現在の自然に溶け込んだ姿や建築当時のデザイン性豊かな空間を守っていくため、これ以上の劣化は喰い止めなければなりません。クラウドファンディングで集まった資金を基に、まずは屋根の防水改修を行い、躯体コンクリートの保全に努めています。
山上ホテルゆえに、資材の搬入は「まやビューライン」を借り切って行いました。小さなカワイイ乗り物ですが、しっかりと職人さんと大量の物資を運んでくれる、マヤカンの保全に欠かせないケーブルカーです。
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