2022年度（令和4年度）茅葺民家の管理計画作成のための調査および資料作成

神戸市より「茅葺民家の管理計画作成のための調査及び資料作成業務」の委託を受け、神戸市北区１件について、実測および民家の形式や歴史的な背景を調査し、歴史的、景観的な価値を評価し、将来にわたって保全活用していくべき建築であることを明らかにしました。

対象の茅葺民家については、周辺地区の歴史的な景観資源の一つとして、神戸市景観審議会を経て、「神戸市指定景観資源」（旧「神戸市景観形成重要建築物等」）に指定されるよう手続きが進められています。

この茅葺民家は茅葺屋根の主屋とそれに連続して小規模の茅葺屋根を戴く角屋があり、大小２つの茅葺屋根が並ぶ神戸市内ではほとんど見ることが出来ない貴重な形式の茅葺民家となっています。

今後、景観資源を対象とした景観上の維持管理に必要な助成金を得て茅葺屋根が改修される予定です。神戸市には現在、約70～80棟の茅葺民家（草葺き）が残っていますが、年々その数は減少しています。本件はそのような状況のなかで、貴重な茅葺屋根を将来にわたって維持保全し、神戸の伝統的な農村景観の維持に貢献することが期待されています。