「旧摩耶観光ホテル(通称マヤカン)」 観光拠点再生計画・高付加価値化推進事業

旧摩耶観光ホテルは「廃墟の女王」として名高く、潜在的に観光ニーズが高いにもかかわらず、現在は外観の観光のみにとどまり、内部の一般公開は安全性が確保できない理由から実施が困難な状況となっています。

そのような中で今回は観光庁が行っている「観光拠点再生計画」助成事業のなかで、「観光拠点再生計画旧摩耶観光ホテル再生事業・実証実験工事支援業務」として採択され、建物の劣化を遅らせるための屋上防水工事を実施し、その工事には工事関係者の資格を得た一般市民が参加する「体験型観光の新しい形」として実証実験として行いました。

屋上防水工事は調査に基づき、以下の要領で実施し、特に③④⑤の工程を参加者の方々と協働で行いました。

①屋上の雑草の除去 ⇒ ②穿孔箇所の養生 ⇒ ③仕上コンクリート部の穿孔 ⇒ ④ケミカルポンプによるアクリル系樹脂を既存アスファルト防水層上部に穿孔部から注入 ⇒ ⑤穿孔箇所に順次注入 ⇒ ⑥穿孔箇所をモルタルで穴埋め ⇒ ⑦養生を除去・清掃 ⇒ ⑧雨天時に防水層形成の効果を検証

皆さまに協力頂いた防水工事については、ほとんどの部分で漏水が止まる一方で、パラペット立上り部分など、各部の取り合い箇所からの漏水は完全に抑えるには至らず、今後の課題を明らかにすることが出来ました。

工事には延べ120名の方に参加して頂きましたが、関西圏にとどまらず、東京圏から参加して頂いた方も多く、「建物再生工事」への参加に高い関心を寄せて頂きました。

今回の実証実験により旧摩耶観光ホテルを活用した「建物再生工事ツアー」の継続的な実施の大きな可能性が見出されました。


摩耶ケーブル下駅前公園にて集合。ツアーの説明の様子。


旧摩耶観光ホテルの屋上にて工事説明の様子。

専門業者の指導を受けながら工事に奮闘する参加者。

工事終了後の見学ツアー。

工事と見学ツアー終了後のミーティング風景。

オプションツアー・旧摩耶観光ホテル周辺に残る歴史的遺産(通称「摩耶遺跡」)見学風景。

NPO法人ひょうごヘリテージ機構H²O神戸

歴史文化遺産の発掘・保存・活用に関する活動を行う 特定非営利活動法人(NPO法人)ひょうごヘリテージ機構H2O神戸 (エイチ・ツー・オー・コウベ)です。 文化財建造物、近代建築、茅葺民家、など伝統的建築物の保全、管理、活用などを支援し、建築物にとどまらず、地域、コミュニティ、風景の維持、活用を提案させて頂きます。

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