神戸市より委託を受け、春日野小学校校舎の記録・保存を行いました。
わが国の最初の鉄筋コンクリート造校舎は大正9年(1920年)、神戸市に竣工した3校に始まりますが、神戸市は大正12年9月までの3年間に19校を竣工させており、当時の東京、大阪、京都、横浜などの他の大都市と比較してもその数は突出し、まさに神戸市が小学校校舎の鉄筋コンクリート造化をリードしていました。
春日野小学校校舎はそのような中で昭和7年に竣工し、現在、神戸市内で現存する最も古い「現役の校舎」となっていますが、学校敷地が狭隘な上、近年児童数が増加し、施設の老朽化やプールがないことなど、教育環境上様々な課題が生じており、学校環境改善のため校舎の全面建て替えを行うか、保存活用を進めるか岐路に立たされています。
存続が危ぶまれている春日野小学校校舎ですが、戦災や震災にも耐え続け、戦前の鉄筋コンクリート造校舎の歴史的な背景・価値を現在までに伝える貴重な建築物であるため、神戸市や春日野小学校に残された資料の収集を行い、建築に至る経緯から現在までの変遷を、保存記録としてまとめました。
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